最大のメーカー

デーリムは韓国での国内シェアの50%を超える、韓国最大の自動二輪メーカです。
一部輸出もしていますが、全生産台数の80%以上は韓国国内に出荷されています。
また、漢字名では大林自動車工業と書きます。
大林グループは韓国財閥系の中堅グループで、建設ゼネコンや化学工業を主力企業としており、現在ではプラント開発や不動産業、観光業を含め幅広い産業にグループ企業を置いており、デーリムモーターはその輸送機器部門を担っているのです。

この会社は1970年創業で、半世紀近い超える歴史があり、1981年より本田技研工業と提携し、韓国での生産を行うことでノウハウを蓄積してきました。
またホンダブランドのバイクの、韓国国内での販売も担っていたのです。
2002年には提携契約が満了したものの、提携当時は小型バイクのVTシリーズやGLシリーズ、スクーターのLEADやTACTなど、日本でも販売されていた馴染みの車種の生産をしていました。
またアメリカンスタイルの小型車も、80年代より手がけていたのです。

活動企業

現在でもVTシリーズはラインナップとしても残っており、韓国国内でも幅広い年齢層に根強い人気があります。
ホンダとの蜜月時代は125ccが中心でしたが、2004年には自力での25ccエンジン開発に成功し、2007年には韓国メーカ初の電子制御式燃料噴射システム(EFI)搭載のVJFiシリーズのリリースを始めました。
さらに2009年より電動スクーターの製造販売にも注力しています。
本社や製造拠点が釜山にもほど近いチャンウォン(昌原市)にあることもあり、日本でも九州地方を中心に個人輸入や並行輸入によるユーザーも一部いるほどです。

また、海外展開としては、アメリカフロリダ州のマイアミや、イギリスのランカスター・アドリントンにも現地法人を置いており、北米やユーロ圏への輸出にも注力しています。
さらに自動車部品メーカとしての事業も行っており、日産自動車や英国ジャガー、ドイルのアウディにも部品提供を行ってきました。

また1991年より通称KSRC、韓国スクーターレースチャンピオンシップの開催を手掛けているほか、韓国国内では、モータースクールの定期的開催を行っており、1985年の開始以来、その受講者は延べ人数で100万人を超えており、韓国国内での二輪車の安全運転のマナー普及にも力を入れてきました。
ちなみにデーリムが125cc車に注力しているのは、韓国の免許事情があります。
我が国でも普通自動車免許で原付が乗れるように、韓国でも普通自動車免許で125cc以下のバイクが乗れるからです。

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