保ち続ける技術

イタリアバイクメーカーモトグッツイは1921年に当時天才と呼ばれたエンジニア カルロ・グッツィに、優れた経営手腕で才覚を現したジョルジョ・パローディらによって創設された、イタリアでも最も歴史があるバイクメーカーです。
最初に開発されたOHC4バルブビッグシングルは航空力学に基づいて設計されたほか、現代の最新型マシンにも通ずるスプリングフレームの開発など、バイクメーカーの先駆者的な存在として走り続けてきました。

一方、モトグッツイの伝統と誇りが息づくシャフト駆動の縦置き90度Vツインに至っては、30年以上も基本レイアウトを変更していません。
技術進歩が目まぐるしい現代において、何十年にもわたってキープできるだけの技術の粋を集めた自信作といえるでしょう。

なお、モトグッツイのシンボルマークはイタリア空軍のマークともなっている、翼を広げた鷲が描かれています。
これには理由があってカルロ・グッツィとともにモトグッツイの創設に携わりながらも、世界大戦で散った亡き戦友への想いが込められていると伝えられています。
ここで、2013年最新モデルである「モトグッツィV7Special」について紹介しながら、素晴らしさを語るとしましょう。

エンジンについて

代名詞とも言える縦置きVツインエンジンはエンジン前後長さを短くできるため、メンテナンス性や動力の伝達効率に優れるメリットがあります。
この伝統の縦置きVツインが今回全面刷新され、なおかつパワーアップして戻ってきたのが、この最新モデルなのです。
V7スペシャルはスタンダードモデルであり、1970年代のテイストを感じられる伝統的なデザインを受け継ぎながらも、最新テクノロジーが存分に注ぎ込まれています。

イタリアンプロダクトのこだわり、伝統に支えられていること、エレガントさ、ゆとりを感じさせる走りといったコンセプトを基に開発されており、単なる性能の良さだけでは勝負しないモトグッツイらしさが伝わってくるモデルとなっていますね。
クラシカルなスタイリングや現代バイクのおもな電子制御が一切ないシンプルな機構のエンジン、昔ながらの良さが出ている縦置きVツインの静かな鼓動が感じられるのです。

最新のバイクに慣れた方にとってはむしろ新鮮でもあり、なおかつ、現代社会に渦巻くストレスを癒してくれるようなバイクといえるかもしれません。
バイクの歴史や楽しみをより深く追求したいなら国内メーカーだけではなく、海外のメーカーにも目を向けるといいでしょう。

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